Jaco Pastorius / Holiday for Pans

Holiday for Pans

ジャコ・パストリアスのサードアルバム発売か!?と騒がれた『Holiday for Pans』。ジャコの楽曲に欠かせなかった楽器スティール・ドラム(スティール・パン)にスポットを当てた大作で、セカンド・アルバム『Word of Mouth』の製作と並行して1980年~1982年にかけて録音された。

レコーディングにはオセロ・モリノウ(steel-ds)、リロイ・ウィリアムズ(steel-ds)をはじめ、トゥーツ・シールマンス(harmonica)、ウェイン・ショーター(sax)、ドン・アライアス(per)らのほか、マイケル・ギブス・オーケストラも加わる。

アルバム・タイトル曲はイギリスの音楽家デヴィッド・ローズ(David Rose)の《Holiday for Strings》からヒントを得たもので、本作ではコミカルにアレンジされた小作品《Holiday for Pans》として収録されている。

ジャコのサード・プロジェクト『Holiday for Pans』の製作は順調に進んでいたと思われたが、所属レーベルのワーナー・ブラザーズは、ジャコが満を持して発表したセカンド・アルバム『Word of Mouth』が販売不振だったことや、本作のコンセプトが難解であり一般受けしないと判断。このアルバムの製作は完成を見ずして終了に追い込まれた。

ジャコは自身の麻薬中毒の治療のため、このマスター・テープを保管し続けることができず、レコーディング・エンジニアのケニー・ジャッケルに託すが1987年に不慮の死を遂げてしまう。紆余曲折の末、マスター・テープ一式は日本のレーベル「サウンド・ヒルズ」が買い取り、1993年に日本限定盤としてリリースした。

しかし、『Holiday for Pans』はマスターテープ出自の不正確さが災いし、ジャコのアルバムとして公式に認められていないばかりか、ビル・ミルコウスキーの著書『ジャコ・パストリアスの肖像』でマスター・テープの盗品疑惑が指摘されたり、いくつかのトラックは別人のベース音を後乗せしたのでは?といった疑惑が浮上。

サウンド・ヒルズは1999年にマスター・テープを無編集の3CDボックスセット『Full Complete Session from Holiday For Pans (1980-82)』を、また、2001年には曲順を入れ替え、初版には無かった新たな音源を追加した『Holiday For Pans (Comprehensive Brand New Edition)』をそれぞれリリースしている。

Holiday for Pans

Holiday for Pans

Jaco Pastorius (Sound Hills)

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Harmonia Mundi
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Tracklist

  1. Mysterious Mountain (Allan Hobaness) 1:32
  2. Elegant People (Wayne Shorter) 6:44
  3. Good Morning Annya (Jaco Pastorius) 5:31
  4. She’s Leaving Home (John Lennon/Paul McCartney) 3:34
  5. Holiday For Pans (David Rose) 3:13
  6. Giant Steps (John Coltrane) 3:12
  7. City Of Angels (Jaco Pastorius) 8:53
  8. Birth Of Island (Jaco Pastorius) 23:44

Personnel

Jaco Pastorius – bass, steel drums (bass pan), percussion, keyboards, voice
Wayne Shorter – saxophone
Don Alias – percussion
Othello Mollineaux – steel drums
Leroy Williams, – steel drums
Mike Gerber – piano
Toots Theilmens – harmonica
Bobby Eocomomov – drums, percussion
Kenwood Dennard – drums
Ted Lewand – guitar
Peter Graves – trombone
Craig Thayler – violin
Michael Gibbs Orchestra

Notes

Recorded at Power Station, KCC Studio and Jingle Studio in New York City, 1980 – 1982.

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