運動神経は抜群だったジャコ。その片鱗がうかがえるエピソードが雑誌「ジャズ批評」に載ってました。
………小川 ジャズで目立ちたがりというと、ジャコ・パストリアスかな。たいへんな曲芸を見たもんね。三年くらい前だけど、エブリーフィッシャーホールといった大会場に出られるアーティストになっていたジャコが、30人くらいしか入らない小さいジャズクラブに出ると聞いて行ってみたんだ。そしたらジャコ抜きのバンドがいるだけ。ハイラム・ブロックとかね。演奏が始まっても、ジャコが現れないので、ジャコ出るというのはデマだったのかなんて思ってたら、突如、疾風のようにベースを持って駆けて来て、でんぐり返ってステージに上がって、さっと立ったわけ。
明田川 ベース持ったまま?
小川 立ったとたんベースアンプにジャックを差し込んで弾き始めたんだよ(笑) それを後ろ向きで、一発で決めるからスゴイ!
明田川 体操の世界だね。
小川 みんな呆気にとられちゃってね。あの人酔ったふりして計算してんだね。きっと何回も練習したんだよ。
吉野 そういうふうに目立つって大事なことでしょう。
明田川 そうですね。………
出典・参考資料
ジャズ批評 No.52ジャズ批評 No.52
「ジャズを100倍たのしむ」
ジャズ批評社
評論家小川隆夫さん、ピアニスト明田川荘之さんの対談記事(司会進行は吉野徹さん)「コンサートはパフォーマンスか!!」より。1985年発売のジャズ批評No.52「ジャズを100倍たのしむ」の中にありましたが、ジャコは本当に酔ったふりをしていたのでしょうか?
「ジャズを100倍たのしむ」
ジャズ批評社
評論家小川隆夫さん、ピアニスト明田川荘之さんの対談記事(司会進行は吉野徹さん)「コンサートはパフォーマンスか!!」より。1985年発売のジャズ批評No.52「ジャズを100倍たのしむ」の中にありましたが、ジャコは本当に酔ったふりをしていたのでしょうか?