これまでYouTubeに断片的にアップロードされていた晩年のジャコ・パストリアスの映像が全編45分まるっと上がっていた。1985年にベルギーで放送された「So What? 85」というテレビ番組でスタジオ内に観客を入れたライブ形式で収録されている。
ジャコ以外の出演は、1970年代から活躍したエイゾー・ローレンス(sax)、ジャコの晩年作品に度々起用されたジョン・デイヴィス(key)とポール・モウサビ(g)、ザヴィヌル・シンジケート加入前のパコ・セリ(ds)。ゲストにトゥーツ・シールマンス(hca)が登場(シールマンスは1曲のみの参加)。セッションの後半に地元ベルギーのベーシスト、ミシェル・ハツィゲオルギオが加わる。演目はハービー・ハンコックの《Dolphin Dance》、ジャコの《Three Views of a Secret》、《Continuum》などを含む全10曲。
ジャコのピアノとトゥーツ・シールマンスとのデュオで奏でられる《Three Views of a Secret》はなんとも微笑ましい。1982年のオーレックス・ジャズ祭以来の共演なのか分からないが、演奏を終えて再会を喜び合う二人の姿は沁みる。後半に招かれたミシェル・ハツィゲオルギオ(b)との《Continuum》はぶっつけ本番なのか今一つ相性が良くない感じだが、エイゾー・ローレンスや、パコ・セリの演奏はパワフルで見どころも多い。
ジャコは演奏中に被っていた帽子を放って頭で受けようとしたり、ベースを床に置いてコードを引いてくるんと回したり全編を通してテンション高め。
過去にこの番組の数曲がアップされているが、全編通しで晩年のジャコを見られる本アーカイヴはかなり貴重かも。アーカイヴ名に「Remastered」と記されている通り画質も良い。皆さんもぜひご覧あれ。