ウェザー・リポートに加入したばかりのジャコが、声を出しながら和音を吹くトロンボーンの鬼才アルベルト・マンゲルスドルフと、ウェザー・リポートの初代ドラマー、アルフォンス・ムザーン(ds)とのトリオで出演した1976年の「ベルリン・ジャズ・デイズ」。現地ラジオ局が番組オン・エア用に収録したライブ音源を商品化したアルバム。R&Bに根差したグルーヴィーなジャコの演奏とは一線を画するフリー・インプロヴィゼーションの応酬。ジャズ・ベーシストしての側面を余すところなくとらえた貴重なライブ作品となっている。
マンゲルスドルフは1975年のエルヴィン・ジョーンズ(ds)との共演からアメリカ人ドラマーを好むようになり、ジャズ評論家ヨアヒム・E・ベーレントを介してアルフォンス・ムザーンと出会い、翌年のベルリン・ジャズ・デイズでムザーンとトリオを組むためのベーシストを探していたところにデビューしたてのジャコの音が届いた。
マンゲルスドルフは、ジャコがアコースティックベース奏者ではないかと思ったらしい。フェンダーのエレクトリックベースから“こんなにもナチュラルな音が出るものだろうか?”と。このことはアコースティック・ベース奏者に的を絞って共演者を探していたマンゲルスドルフにとっても好都合だったという。ジャコはウェザー・リポートに加入したばかりだったため、ジョー・ザヴィヌルにOKを取り付けてジャコの参加が実現した。このトリオのステージの成功は大きな話題になり、マンゲルスドルフはこのメンバーでのツアーも考えたとか。
このライブは公式盤では未発表だった部分を含む映像作品がジャコ名義の『Trilogue-Live!』として2010年に発売された。
Trilogue – Live!【CD】
Traclist
- Trilogue (Albert Mangelsdorff) 6:13
- Zores Mores (Albert Mangelsdorff) 8:12
- Foreign Fun (Albert Mangelsdorff) 7:31
- Accidental Meeting (Albert Mangelsdorff) 8:50
- Ant Steps on an Elephant’s Toe (Albert Mangelsdorff) 9:35
Personnel
Albert Mangelsdorff – trombone
Jaco Pastorius – electric Bass
Alphonse Mouzon – drums
Notes
Recorded live at the Berlin Jazz Days, 6 November 1976 at the Berlin Philharmonic.